
とうとう「性」に関連した博物展が2026年10月31日から上野にある国立科学博物館で公開され、翌日の11月1日にさっそく見に行ってきました。
この日を待ち望んでいた理由…それは自分の研究している人間の「性交学」研究を広めることであり、現在は科学よりも哲学から見識を深めることが多く、科学としての生物に関する知識が乏しい状態でした。
そんなときにこの特別展が現れたことは僥倖であり、個人的な見聞を広めるとともに、一般にも「性」としての学問が深まるきっかけになったのは間違いありません。
まずは下のCM映像をご覧ください!
総合監修:堤 千絵(国立科学博物館 植物研究部 多様性解析・保全グループ研究主幹)
特別展「生きものたちの性」について
つれない♪つれない♪つ~れない♪つれない♪あ~なたのことなど…上のCM映像のテーマソングがノリ良くていいですね♪
「性」という題材が初めて展示されることになったのは、わたしたちの性における認識がより進んでいることを意味しています。
ぜひこの機会に、世界に生きているということの源でもある「性」について見聞を広めていきましょう♪
上野:国立科学博物館
場所は「〒110-8718 東京都台東区上野公園 7-20」にあり、多くの方は一度は上野で博物館や美術館、動物園で足を運んだことがあるのでは!
公式サイトを利用した予約では、30分区切りの時間で予約をすることができるため、12時からの予約で入場することに!※現在は当日券で予約可能
久しぶりに上野駅に降り立ち、快晴のなか展示会場に向かうことができました。

このときはお昼の時間帯ということもあって入場する人があまりいないため、入りやすい時間かもしれません。
メールに届いた予約のQRコードを見せ、入口にあるエスカレーターを下りました。
ちなみに、数日前に前売りで購入しましたが、基本的には全て〇となっていたので、テーマ的にお客さんの入りが好調なのかは分かりません。
チケット購入:当日券・スペシャルチケットサイト / 公式チケット ARTPASS
販売期間: 10/31(土) 0:00 ~ 2027/2/21(日)
開館時間:9 時~17 時 ( 入場は 16 時 30 分まで )
※休館日は公式サイトでチェック
チケット代は一般¥2,300(税込) / 小・中・高校生 ¥600(税込) / 未就学児 無料 となっているので全年齢対象で家族連れでも入ることができます。
また、本展アンバサダーにお笑いコンビのラランド(サーヤ・ニシダ)がナビゲーターをつとめ、専用ガイド機をレンタル、もしくはアプリ配信で会場内を案内してくれるようです!
展示内容をより詳しく知りたい方や、どのように見たらいいか心細い方は音声案内してもらうのもアリですね♪
12時10分に会場入りしましたが、果たして混雑しているでしょうか?
性の多様性を知る!
各テーマの展示について撮影は基本OKですが、動画は撮影禁止となっております。
また、展示物の内容の多さに各テーマを見失いやすいのでポイントを載せてみました。
第1章:性のすがた
エスカレータを下りて右手の入口に入ると、さっそくお出迎えしてくれたのは特別展シンボルでもあるライオンのオスとメスの剥製が!

案内係が並ばずに行き来して観覧できることを伝えても、みんなこの写真を撮りたがって入口から人が立ち止まってしまうくらい人気ぶり。( ̄▽ ̄)
それでもいまのところは、まだまばらに人が入る程度なので、移動はしやすくゆっくりと見ることができる状態です。
ライオンの迫力ある剥製の右手側には、魚類に甲殻類、ほ乳類に鳥類や昆虫とさまざまな剥製や標本が並びます。



この章ではプロローグとしてあらゆる生物に「性」があることを意識させるコーナーであり、普段生物を見たときにそこまでオスメスを観察することはないのでは!
植物も含めたあらゆる生物が展示されているのは、生物の種類で分けるのではなく生物の「性」をテーマにして並べられているからでしょう。
そして、普通の標本は単体の生物を展示するだけですが、雌雄の対(ペア)で飾られていることでより性とともに同じ種でも見た目の違い(性的二型)があることが分かります。


さらに、鳥類のどちらが雌雄のクイズがあったり、植物の大きな模型を使った解説があったりと、普段意識しないあらゆる生きものにも性があることを改めて認識させてくれます。
もちろん画像はあくまで一部であり、導入部ながら見ごたえのある展示がされているため、この後の各章も期待しちゃいますね♪
第2章:性の形と行動
2章に突入するとさっそくお出迎えしてくれるたくさんフウチョウ類の鳥たち!
メスが美しい色彩のオスを繁殖相手として選ぶために、オスの羽は鮮やかとなっています。

全体的に撮影した画像はありますが、せっかくの美しい鳥ですから実際に来館して実物をご覧いただきたいのであえてトリミングをしました。
図録には一部の紹介しかないため、オスの美しさはここでじっくりと実物をチェックしておきたいところ。
そして、エリマキシギという鳥類のオスには3タイプがおり、それぞれのパートナーの見つけ方が違うよう…
それについての解説が漫画でも紹介されており、この漫画の結びは個人的に好きですw


派手な見た目でなわばりを守る「なわばり型」、なわばり型のまわりをうろつき、交尾のチャンスを狙う「サテライト型」、メスそっくりの姿に擬態し、群れに紛れ込む「メス擬態型」の3種とも同じ種なのに違いがあるというのは面白いですね!
そして、ミナミゾウアザラシの巨大すぎる模型?があるのですが、直に近づくと体当たりされたときの怖さが容易に想像できるほどの迫力!

ハーレムを築いて繁殖する巨大アザラシのそばにも他の小動物の展示物があったりと、いろんな生きものが所狭しと飾られています。
しばらく移動すると、特別展示作品としてピーコックスパイダーの求愛行動を体験できるコーナーが!

広いエリアに敷かれた赤色フロアに立つと、映像で求愛するオスの仕草に合わせて音と振動が自分の体を揺さぶります。
視覚・聴覚・触覚にリアルな求愛の体感をさせてくれる素晴らしい作品であり、こういった体験ができることは目玉の一つであることは間違いありません!( ̄ー ̄)ニヤリ
体験はここだけですが、他にも動画で紹介するコーナーもたくさんあるため、文字の解説だけでないのがありがたいですね♪
下の画像は家を装飾するオオニワシドリという鳥に、カエルの大合唱…ではなく各スペースに近づくと単体のカエルの鳴き声(6匹)がしっかりと聴こえます。



さらに、水槽には生体展示されたキッシンググラミーというキスしているようで威嚇していることで有名なお魚ちゃんがいました。
解説を見ながら家族連れのお父さんが「口臭いほうが有利だよな~」なんて言っていると、周りで聞いている人の中には失笑して反応してしまった人も(笑)
小さな生物たちのあとには大型の動物たちが現れ、メスを巡っての勝負のようすがご覧いただけます。
トナカイの硬く長い角で闘争するさまに、横には身長2mはあろうヒグマの向かい合うさまが飾られていました。


ヒグマの剥製の横に映るディスプレイには、メスを巡る戦いがおさめられたシーンを観ることができます。
かわいらしいブチハイエナの剥製では陰部の突起が見えると思いますが、じつは偽陰茎というものであり、この剥製の性がどちらなのかは未だに不明なよう!


セミクジラの巨大なペニペニの模型では人間の身長よりも長いことや、下に置いてある20Lのバケツが5個並ぶほどの精液量を射精するといったことが視覚でリアルに感じることができます。
最近はクジラも増えてきており、これだけの精液が混じっている海の中を想像すると(゜.゜)…もちろん興奮なんてしてませんよ!
他にも雌雄同体であるヒタチマイマイ(カタツムリ)のラブダートという恋矢を互いに挿し合った交尾などについての解説ありました。(図録で詳しく読むのもあり)
ビートルデイジーという性擬態をした花などもありますが、この第2章はともかく豊富であるため来館して十分に楽しめる展覧となっていますよ♪
第3章:性の決定・分化
第2章はだいぶ長く、ここだけでも1時間くらいはじっくり見ていたかと…この頃には会場には人が多く集まりはじめ、家族連れにカップル、中高生の友達とたくさんの人たちが展示に来ておりました。
さて、マップを見ると第3章の入口となる通路は一直線であり、奥には休憩所とトイレもあります。
この通路にはイスもあるため休憩しながらも、展示物とコラボクリエイターの松尾氏の動画が放映されております!

はじめは上記のデザインを見ても気がつかなかったのですが、会場の動画を観て、みたことのある面白い作品を作っているヒトだと気づきました!
長イスに腰かけて動画を観ていたのですが、さすがのコミカルさが面白く2回くらい観ていました!(笑)
少し休憩できたので、トイレに寄ろうと通路を進んだときにあったのは…染色体の模型で撮影スポットでもあるのですが、一瞬これがトイレなのかと勘違いするような表記になってますよねw


この通路では動画や大きな模型とちょっと異質なものを並べているのかと思いきや、その横にはしっかりした展示も!
そして、トイレに寄ったあと折り返し地点として時間を確認したところ・・14時15分‼∑(゚Д゚)ファッ!!?
えっ!半分地点で2時間超えって時間かけすぎじゃない!・・もうね~気力がなくなってきました!(笑)
だけど、それだけ主催側も本格的に力を入れていることの証左であります!
さて通路を進んで曲がったところにあるのはオオスズメバチの標本ですが、これまたすごい迫力が!

1匹の女王バチに対して上半分が女王バチ候補で、真ん中に数匹のオス、下半分が働きバチ(メスのみ)という社会性昆虫であり、ほとんどが働きバチではないことが意外でしたね。
オオスズメバチは大きい蜂ですから、これだけ並べられていることに画像では伝わりにくく、それなりの場所を確保した大きな展示となっています!
そして、温度などの環境で性が決まるコーナーのあとに展示されていたもの…ギナンドロモルフ(雌雄モザイク)というコーナーですね。
これは個体にオスとメスの細胞が混在しているという状態をいいますが、こちらでは鶏や昆虫の標本が展示されていました。


人間の雌雄モザイクは差別の対象になりやすいですが、動物や昆虫の左右が違うものにはカッコよさがあり、横にいたカップルの男性はこの両性交じりのカッコよさに興奮してましたね!
たしかに人間の男の娘や男装した女性とはまた違う生物のカッコよさがありますが、それもまた同種から見ると異質に覚えてしまうのではないでしょうか。(゜-゜)
そして、ここにきて人間のオスとメスの模型が現れ、解説動画があるのですが…うーん複雑で頭が回りませんw


動画の内容は模型を使ってのウォルフ管とミューラー管について解説をしてくれているのですが、ここは動画でも理解が難しく、図録に載っている解説をじっくり読むと理解することができました。
解説も約2分ほどあるため、疲労した脳では尚更理解するのが厳しいかもw
さて、3章の終わりは性ホルモンによる成長後でも性転換する生きものや単為生殖(メスだけで子どもを産む)、病気や環境汚染による性が崩れていくさまが紹介されています。
病気については主に寄生生物によるもので性の操作に、宿主の状態などについても解説されていました。


そして、黒い双頭はスジイルカの模型について、2004年に発効されたストックホルム条約による残留性有機汚染物質の製造や使用の禁止や抑制されたことについて、性ホルモンに関わる生態系の悪影響についても小さくではありますが展示されています。
少し重い展示になりますが、環境汚染がいま生きている生物だけではなく、これから誕生する生物の性そのものにも影響があることを理解することは大事なことでしょう!
さて、疲れている脳では第1会場マップに書かれているのが第4章までとなっているので、ここを頑張れば解放される!と大きくないフロアにホッとした自分が…
第4章:性と子育て
子育てに関するコーナーですが、とくに子育て方法に詳しい解説があるとかではなく…すぐに見かけたラッコの親子の展示が可愛くて癒されますね~
母性愛溢れる展示に疲れが少し癒されていきました。 ε= (´▽`;) ホッ ♡


卵から孵化して出会った親子はクチヒロカイマンで、ラッコと同じく母個体が献身的に子育てをするようです。
もちろん個体差などありますが、多くの生物は母親という存在が大きいですね。
さて、今度はカッコウの模型の横にはなにやら不穏な言葉が…他人に任せるとはどういうことなのでしょうか?


その横には瓶に入ったカッコウナマズという魚類であり、共通しているのは他種の巣に卵を産み托卵して育ててもらうというもの。
これも一つの繁殖するための手段ではありますが、実の親に育ててもらうことのない本来の愛を知ることのない生物もいるということですね。(´;ω;`)
その横には…ε= (´▽`;) ホッ…協力して子育てをする種類で、鳥類にはシジュウカラの模型と小屋があります。


最後の大型展示としてニシゴリラの親子とモニターには動画が流れていました。
さて、その後ろには大事なテーマ「性はどのようにして生まれたか?」についてボルボックスの仲間から明らかになったオス・メスについて解説と動画が流れています。
東京大学の野崎久義氏がオスを決定づける遺伝子を発見したことについて漫画になっており、ぜひ横にある動画や漫画をご覧になってみてください!


会場のおわりとして円陣を組んだ生物の円形ボードと説明があり、その左には開放感ある自動ドアが!
お疲れ様でした!これを撮影したのが15時30分なので3時間以上もいたことに…やっと解放される!
そうしてエスカレーターを上り、今回の特別展を開催してくださった方たちの研究などが書かれたボードのある通路を進んで行きました。
さて、これでグッズコーナーがあるのかと思って進んでいくと・・
第5章:オスとメスだけでは語れない性の多様性
へっ!嘘だろ!また展示物があるんだけど…たしかに会場マップの出口のところを確認すると「第2会場へ」・・
さらにつづきそうな通路のような部屋に、あと1時間もまわる元気などあるはずもなく。(っ◞‸◟c)
しかし、性交学を研究するうえで必要なことだと言い聞かせ、オス・メスだけではない性の多様性の展示も力を振り絞って覗いてきました!
この部屋の展示では陸上の動物ではなく、ウミウシやヒトデといった海洋生物に、藻類や菌類といったものにスポットが当たっています。


実物の美味しそうなシイタケが飾られたケース内には試験管に胞子が…やはり思い浮かべてしまうのはカビですよね。
そんな菌類の性についてはパターンが多型で組み合わせは2万通り以上とか…最後にとんでもない大きな性の形について知ることで「性とはなんぞや?」という気持ちになることでしょう。
そして、通路の奥にあったのは監修や謝辞といった人物紹介のボードがあり、その右手には特設ショップが!


ありがとうございました~ゴールです♪よかった、よかった!(´;ω;`)
ライフが残り1だったのでギリギリでしたが完走の感想は「見ごたえあり」といったところでしょう!(最後の感想でまとめます)
さっそく特設ショップのグッズを確認しますが、買おうと思っていた図録については他のところに行って買う予定なので、今回は残念ながら記念品としての購入は断念。
いろんな種類があるのでぜひリンクを覗いてみてね♪図録の購入は必須ですよ!
まだ特別展は終わらない…コラボ書店へGO!
外に出たときには16時を過ぎており、気づいたら約4時間も中にいたことになりますね。
たぶん普通にさっと見る分には2時間くらいではないでしょうか。

予定では遅くても2時間くらいで終わると思っていたので、久しぶりの上野でしたが散策することなく次にむかわなければなりません。
次の用事のために代官山駅へレッツゴ~(っ◞‸◟c) (クタクタ)
代官山 蔦屋書店
約40分ほどかけ、17時過ぎに代官山にある蔦屋書店に到着!
代官山に降りたのは初めてだと思うのですが、周りはブティックばかりのおしゃれイズムな街のようで、飲食店を探して見たもののこれといって見当たらず…

さて、何しに来たのかと言うと、じつは特別展とコラボしているということで「エリマキシギ 3種のオスタイプステッカー」のうち1種が手に入るのですよ!
代官山店は開催期間:2026年10月31日(土)~11月27日(金)となっていますからいち早くゲットすることができます。
どうやら3棟あるようでかなり広い書店であり、圧巻の冊数がオシャレな形で並べられていました。
そして、しばらく歩いていると…やっとコラボコーナーに到着!


ここでは自分が欲しかったなわばり型のエリマキシギのステッカーをゲットすることができたのでラッキーでした!来たかいがあった♡
さて、帰りに寄っているのか図録が結構売れているようであり、そのほかの関連書籍も売れているのが分かります。
せっかくここまで来たのですから単に図録だけでなく他にも探したいところ、というわけで他にも一冊購入して家に帰りました。
戦利品の書籍:図録(オールカラー) & タ〇〇マ学
特別展の情報満載の図録と他に購入したもの…それは「どうぶつのタマタマ学」という、まさかのキンタマ本なるものが!
この本の存在は知らなかったので、今回のコラボのおかげで知ることができたのと、性を題材にした特別コラボだからこそ、図録と一緒に購入すれば特殊性癖だとは思われにくいでしょうw

さて、金玉マニア(人間)である自分がこの分野についての知識を持っていないのも残念と思われかねません。
動物の金玉がカラーで載っていたりと読みごたえがありますが、人間の金玉の実物カラーが載ってないのはなぜでしょう?┐(´д`)┌ワカリマセーン

どうぶつのタマタマ学
えっ、お前の性癖のことよりも図録を紹介しろって‼
・・・図録はオールカラーで展示された生物の多くや展示しきれなったであろう画像も盛りだくさんであり、特別展をご覧になったあとに購入するのがオススメです。※下の画像は公式サイトより



行けない人は税込2600円ですから行った気分になるための購入もアリでしょう!
会場に設置された数種類の全ての漫画はもちろん、最新の生物の性に関する知識が盛りだくさんで読みごたえがあります。
じゃあ、展示に行く必要はないのか?というとそれはNOであり、実物の剥製や模型の迫力に加え、スパイダーの求愛体験やたくさんの関連動画は会場でしか観ることができず、逆に先に展示を観ることで図録の理解がグッと深まります。
じゃあ、図録はいらないのかというと、こちらもまた展示では紹介しきれない知見が盛りだくさんであり、生物の性に関する書籍としては全体を網羅した入門書ともいえます。
感想
さて、掲載した画像はあくまでも展示の一部にすぎません。
その展示物の多さと多様さは、圧巻と言わざるを得ないものでした。
一般の方の口コミには「勉強になった」「楽しかった」といった感想が見られます。
もちろん、それも今回の展示の魅力でしょう。
しかし、私は性交学を研究する立場として、もう少し踏み込んだ感想を述べたいと思います。
まず、今回のテーマは「性」であり、歴史的な観点から見ても、性を正面から取り上げた博物館の特別展は、なかなか挑戦的な企画だったのではないでしょうか。
そのため、私は来場者がまばらでもおかしくないのでは、と考えていました。
ところが、昼過ぎには家族連れやカップル、女子高生といった学生たちの姿もあり、まさしく老若男女が訪れる展示となっていました。
かつて性には「恥ずかしい」「人前で語りにくい」といった印象がつきまとっていたように思います。
しかし、インターネット上のコンテンツやBL文化の広がり、そしてジェンダーをめぐる社会的な議論などを通じて、若い世代を中心に性を身近なテーマとして捉える土壌も育ってきたのかもしれません。
もちろん、性に対する抵抗感がなくなったわけではありません。
それでも、今回の展示が幅広い年齢層に受け入れられていたことは、性を科学的な視点から学ぶことへの関心が、すでに社会に広がっていることを感じさせました。
一方で、哲学的なテーマとして性を考えることについては、まだ十分に一般化しているとはいえないでしょう。
生物学的な性やジェンダーについての知識は広がりつつありますが、人間にとって性とは何なのか、性愛にはどのような意味があるのか、といった問いは、まだこれから深めていく余地があるように思います。
私が個人的に研究している性交学では、人間の性は単なる繁殖のための仕組みにとどまらず、他者との交流や関係性を築くものへと展開してきたと考えています。
思考する人間だからこそ、性は生殖という生物学的な機能を越え、エロティシズムという哲学的・美学的な領域にも発展してきたのでしょう。
現代の人々も、そうした性の奥深さに、明確に言葉にできなくとも薄々気づいているのではないでしょうか。
さて、こうしたテーマを個別に掘り下げるのは、また別の記事に譲ることにします。
今回の特別展は、最新の研究知見に触れるための入口として、非常に幅広い学問分野を網羅した展示だったといえます。
生物学を基盤に、動物学、植物学、菌類学、進化生物学、生態学など、さまざまな分野から生命の性を紹介していました。
動物だけでなく、植物や菌類にまで視野を広げることで、生命が持つ多様な繁殖の仕組みや形態を知ることができます。
生物を扱う展示では動物に焦点が当たることも多いですが、植物や菌類にも十分な視点を向けていた点は、個人的にも高く評価したいところです。
また、撮影が禁止されていた映像展示も印象的でした。
生きものたちが子孫を残すために、いかに多様な行動を取り、ときには命を懸けて繁殖に臨むのか。
その様子は、標本や解説パネルだけでは伝わりきらない、生きものの営みを感じさせてくれます。
図録についても、今回の機会にぜひ手に取ってほしい一冊です。
人間以外の生きものにも性が備わっていること、そしてそのあり方は、オスとメスという単純な区分だけでは説明しきれないほど多様であることを、改めて知るきっかけになるでしょう。
さらに、蔦屋書店の各店舗では関連したコラボレーション企画も開催されています。
展示を見たあとに関連書籍を探してみることで、今回知ったことをさらに深める入口にもなるはずです。
今回の展示では、標本や映像による視覚的な情報だけでなく、生きものの鳴き声を聞く聴覚的な体験や、求愛行動を体で体験するといった、さまざまな感覚を通じて生命の営みに触れることができました。
「性」という言葉から連想される恥ずかしさや気まずさとは異なる、奥深く、知的好奇心を刺激する世界がそこにはあります。
性に関心がある方はもちろん、生物や自然科学に興味がある方にも、ぜひ足を運んでほしい特別展でした。 (*´ω`*ノノ☆パチパチ
総合監修の堤 千絵様、並びに企画に携わりました方々に、素晴らしい挑戦的なテーマが私の研究を飛躍させましたことにも感謝を申し上げます。
リンク集
長い記事となってしまいましたが、ご覧くださってありがとうございました。
下に本記事で紹介した一部のリンクを貼っておきますので、興味があったリンクにぜひ飛んでみてください♪
まぁ、本来は性交体位などを研究しているブログですから、戯道館ブログのリンクを貼りたいところではありますがw
はじめまして松尾です ⇒ YouTubeリンク
公式サイト:特別展「生きものたちの性」 (X)
チケット購入:当日券・スペシャルチケットサイト / 公式チケット ARTPASS
販売期間: 10/31(土) 0:00 ~ 2027/2/21(日)
開館時間:9 時~17 時 ( 入場は 16 時 30 分まで )
※休館日は公式サイトでチェック


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